男の子はコーラがすき
今週のお題「飲み物」
私の両親は、長女の私を結構緊張しながら育てたようで
食べ物にちょっとしたタブーがあった。
コーヒーは飲ませてくれなかったし、ガムや飴もほとんど与えられたことは無かった。
ラムネ菓子のようなものも禁止だった。
だから私は今もどれも大してたべられない。
そのほかの食卓に上がるような食べ物はほとんど好き嫌いが無いので、まあ両親の方針はまずいところはなかったとおもう。
ただタブーだったそれらを受け付けないのは、ちょっとしたコミュニケーション不全を引き起こす。
食後のガムや、咳き込んだときに渡されるのど飴や、眠そうなときに渡されるフリスクを私はなんとなくあいまいに断わる。
ねぎらいに渡される缶コーヒーのやり場に困ったりする。
もうちょっと耐性が作れればよかったのだけれど。
その流れでいうと、最も耐性が無いのが炭酸飲料だ。
中でもコーラはほんとうに年に数mlしか口にしていないと思うし、生涯でも2Lも飲んでいないかもしれない。
ジンジェーエールやサイダーなんかは割りと飲めるのだけれど、コーラはどうにも苦手だった。
なんだかくすりくさいし、なんだってハンバーガーやピザにあんなのをいっしょにするのかいまだにぜんぜんわからない。
だから男の子というのはなんであんなにコーラがすきなんだろうかと不思議におもう。
変な話だけれど、私が口にしたコーラの何割かは男の子から分けてもらったコーラだと思う。
ぜんぜん好きじゃないのだけれど、なぜだかみんなおいしそうに飲むし、いやしんぼのわたしは男の子がコーラを飲むのを見るたびに、そんなにおいしいなら一口おくれ、といってしまうのだ。
(そして仲のいい男の子ができるスパンが長すぎて、私はいつもコーラの味を忘れてしまうのだ)
だからコーラは、夜中のコンビニの前とか、変な時間のマクドナルドや、明け方のラブホみたいななんだかアレなシチュエーションとセットになっていて、それはますます私のコーラ嫌いを進めているような気がする。
私はきっと自分でコーラは買わない。でもこの夏コーラを飲む機会が来ればいいのにと思う。
できればもうちょっとましなシチュエーションで、コーラの思い出が増えればいいのにと思う。